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建築設備士の資格を取得しよう!受験資格や資格取得のメリットを紹介

2023年07月31日

建築設備士は、建築士が求めている内容に対して建築設備の設計や工事管理について適切な指示・助言を行える国家資格取得者です。
資格を取得するには、実務経験や受験資格などの条件があります。
条件を満たさなければ受験はできません。

この記事では建築設備士の仕事や、試験の概要について解説します。
資格を取得して得られるメリットについても解説しています。
建築設備士の資格取得を検討中の方や気になる方はご覧ください。

建築設備士の資格を取得しよう!受験資格や資格取得のメリットを紹介

建築設備士は建築設備の専門家

建築設備士は、建築士に対して建築設備の設計や工事管理に対して助言をする役職です。
建築士は建築設備士の助言を設計に反映したら、以下の行動を起こす義務があります。

・建築確認申請・完了検査申請に建築設備士の氏名を記載する
・設計書や工事管理報告書に関する意見を聞き反映した旨を報告する

建築士事務所が設計または工事管理の受託契約を締結するときには、業務をした建築設備士の氏名を書面に記載する必要があります。
これは、建築士法でも定められている義務です。

建築設備士は資格があれば業務に携える

建築士は試験に合格しても、免許がなければ業務を行えません。
一方の建築設備士は、試験に合格すれば業務を行えます。
ただし、平成13年国土交通省告示第420号各号の、以下の欠格事由に該当する場合は除きます。

・未成年者である
・禁固刑以上の罪を犯しており、執行後2年以上経過していない者
・建築物の建築に関して罰金以上の罪を犯し、執行後2年以上経過していない者
・精神障害で建築設備士の業務を適正に行えず認知・判断・意思疎通を適切に行えない者

上記に当てはまる者は、たとえ建築設備士の資格を取得していても業務は行えません。

建築設備士の有資格者が得られるメリット

建築設備士の資格取得者がいなくても、建築の設備設計や建築行為は可能です。

建築設備士のアドバイスには、強制力や法規制もありません。
一見需要のない資格にも見えますが、最近では以下の理由で建築設備士は重要な位置付けにされてきています。

・複雑で高度な建築設備が増えたため
・建築の確かな安全性への意識が高くなったため

建築設備士の有資格者が得られるメリットを3つ、これから紹介します。

①周囲から高い信頼を得られる

建築設備士は試験の合格率が15〜20%とかなり低く、非常に難易度の高い資格です。
そのため、資格取得者は高度な専門性を持つ国家資格保持者として厚い信頼を得られます。

適切な設備設計・施工管理を確実に行うためにも、複数の建築専門家に助言をもらうのは非常に重要です。
建築設備全般に対する知識・技術を活用し、建築士に助言できる建築設備士は重宝されます。

②収入アップの可能性が高まる

建築設備士の年収は、およそ480万〜700万円程度です。
建築士などほかの資格との併用によってはこれ以上に高い年収も見込めるでしょう。
設計時業務の法律上の独占業務はありませんが、金銭面の優遇は非常に高いです。

大手建設会社であれば高い年収も期待でき、活躍の場も多いため転職の際の選択肢も多くなります。

③建築の専門家としてさらなるキャリアアップにつながる

建築設備士の有資格者は、実務経験・学歴問わず2級建築士・木造建築士の受験資格を得られます。
建築設備士としての実務経験が4年以上あれば、1級建築士の受験も可能です。
電気や設備の専攻者でも建築設備士の実務経験を満たしていれば、1級建築士になるためのチャンスを掴めるのです。

建築設備士の資格があると、ほかの試験の受験資格が得やすくなりキャリアアップにも繋がります。
1級建築士として5年以上の経験と、所定の講習の修了が必要な1級建築士の上位資格が、設備設計1級建築士です。
この資格取得においても、一部の講義と修了考査の免除されるため非常に有利となります。

建築設備士の資格と受験資格

建築設備士の試験内容と受験資格について解説します。
まず、試験内容は以下のようになります。

一次試験

学科試験

下記の制限時間:2時間30分

  • 建築一般知識27問 
  • 建築法規18問

下記の制限時間

  • 建築設備60問

二次試験

設計製図試験(空間・換気設備、給排水衛生設備、電気設備から1部門選択)

下記の制限時間:5時間30分

・建築設備士基本計画から11問

・建築設備基本計画から5問

※一次試験の合格者は、次の年から続く4回のうち、任意の2回について一次試験が免除になる。

一次試験は合計105問のうち、70問以上で合格です。
二次試験は一次試験合格ののちに受験でき、合格するためには評価Aを取得しなければなりません。

実務経験は最長で9年以上|学歴・有資格により違いがある

まず学歴別での実務経験は以下のようになります。

・建築・機械・電気の4年制大学卒業の場合、実務経験2年以上
・上記と同じ専攻で短大、高等専門、旧専門の場合、実務経験4年以上
・上記と同じ専攻で高校、旧中学校の場合、実務経験6年以上

続いて、下記の有資格者の場合、2年以上の実務経験があれば受験資格を得られます。

・1級建築士
・1級電気工事施工管理技士
・1級管工事施工管理技士
・電気主任技術者(第1〜3)
・空気調和・衛生工学会設備士

上記の学歴も資格も有しない場合、実務経験は9年以上必要です。

実務経験として認められる業務|自己申告制

実務経験として認められるのは、建築設備に関わる業務です。
以下のような業務が当てはまります。

・建築設備の設計・工事管理・施工管理・積算
・建築設備の保全と改修
・建築設備の行政・修繕計画
・建築設備に関する教育や研究

ただし、下記の場合は実務経験には該当しません。

建築物の設計や工事管理、施工管理を行っていても建築設備に直接関わっていない業務の場合
機器類の運転、計器類の記録など作業員としての業務のみの場合

実務経験は、基本的には自己申告制度です。
今のところ、虚偽の申告による処分のケースはありません。
実務経歴フォームでの入力などで詳細な記載を求められます。
試験実施機関が調べれば、虚偽の申告はすぐに発覚するでしょう。
虚偽の申告はしないようにしてください。

まとめ

建築設備士の仕事やメリット、試験内容について解説しました。
建築設備士は将来のキャリアアップや仕事の選択肢の幅を広げてくれて、業界で非常に重宝される資格です。

試験は難関ですが、取得によって得られるものはとても大きいです。
建築設備士の資格取得を目指している方は、これからのキャリアも見据えて試験にぜひ挑戦しましょう。

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